ブックタイトル月刊田中けん

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概要

月刊田中けん

「我々は誰よりも技術の危険性を見てきている。だからこそ、子どもたちの身にそのようなことは起こってもらいたくない」これはスティーブ・ジョブズの言葉です。質問8:子どもたちにハイテク機器を使わせる是非の質問への答弁(1)UCLA大学の研究者たちが最近発表した研究によると、数日間、電子機器利用を禁止しただけで、子どもたちの社交スキルがまたたくまに向上したそうです。もし子どもの頃からハイテク機器に慣れ親しんでしまえば、幼少期から学ぶべき、人と人との社交性を高める大切な時間を奪い、人格形成に悪影響を与えてしまうのではなかろうかと、スティーブ・ジョブズは考えていたはずです。時代の最先端を反映し、若者の世相を映し出す鏡たる文学やマンガでは、友達が少ないひとりぼっちのキャラクターが主人公になっている物語が流行っています。「僕は友達が少ない」2009年「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。」2011年「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」2011年どの作品もここ5年以内に発表されています。各作品の累計は、450万部、100万部、195万部であり、超ベストセラーになっています。これらの作品に共通しているのは、どの主人公たちも、自分には友達がいない、恋人もいない、孤独であるということです。以前の文学や少年マンガならば、とても主人公にはなりえない、孤独で性格が暗いキャラクターたちばかりです。しかし彼らこそが、同じような時代を生き、同じような体験をしてきた等身大の若者を投影しているのです。これらの作品はどれもアニメ化されましたが、そこには、1人でパソコンをしたり、TVゲームをしたり、スマホひんぱんをしたりする描写が頻繁に出てきます。他人と一緒にいても、両者無言で会話が続かない様子もよく出てきます。その中でも特に「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」に関して言えば、日本の作品でありながら、まずは海外で高く支持され評判となりました。その人気が逆輸入の形を取って、日本でも人気が出た作品です。つまりスティーブ・ジョブズが危惧した「ハイテク機器と接することで、人間の社交性が低くなってしまう」現象は、決して日本特異の現象では無く、世界的に広がっている深刻な現象かもしれないと認識できます。孤独で人付き合いが下手な若者が増えている現実には、子どもたちがハイテク機器に触れすぎていることが影響しているのではないだろうかという関連性の是非について、区長はどのようにお考えになりましょうか。きぐ多田区長ハイテク機器のことにつきまして、これは具体的には教育長から教育問題としてお答えしますが、これはハイテクもメリットもデメリットもあって、青少年に余りよくないなということも多々あるのではないかと思いますが、そのデメリットをなるべくなくしていく形で教育の中に取り込むということは、これはやっていいことだと思いますので、それは個々の問題として考えていくべきものではないかと私は思いますが、具体的に教育長のほうからお答えをさせていただきます。質問8:子どもたちにハイテク機器を使わせる是非の質問への答弁(2)白井教育長江戸川区は学校教育において、情報教育を進めて参っております。私は情報教育というのは大きく2つあると思います。1つは、学校に必要と考えられるICT機器を配備しまして、子どもたちに最低限必要な機器操作も含めた情報活用能力を育成すること。それから、授業がより一層わかりやすく深まる授業を実現すること。これが1つだと思います。もう1つは、これはスティーブ・ジョブズさんも私も読ませていただきましたが、やはり表側と裏側があります。この裏側の部分、今、区長デメリットとお話になりましたが、その部分をきちんと児童・生徒や保護者にお話ししていくこと。あくまでもこのICT機器というのはツールですから、ツールとして活用するものですから、そのツールに支配される人間になってはいけないということだと思います。支配されるようになってしまうと、先ほど議員さんがおっしゃったようなことが出てくると思いますので、江戸川区の私ども学校といたしましては、そのためにセーフティ教室やったり、ICT教室をやったり保護者の方も含めてそのようなことを行っているということで、そのバランスをとっていきたいというふうに考えているところでございます。ICT機器・・・情報通信技術のこと例)コンピュータ・タブレット・デジタルカメラ・プロジェクタ・実物投影機など3