ブックタイトル月刊田中けん

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概要

月刊田中けん

1箇所通行できるようになっても、またその先の川が氾らん濫していたりして、フェリーターミナルまで3回は立ち往はんらん生したと思います。濁流化して道に氾濫した水流を、ワゴン車は横切りました。アスファルトが濁流によってえぐられ、道は砂利道の水中道路となっていました。路面にできた凹凸にタイヤを取られ、車体を左右に揺らしながら進む車は、さながらアフリカの荒れ地でも走っているかのようでした。通常ならば北部から南部の港まで45分ほどで到着する予定が、90分以上もかかってしまいました。当然、朝一便の船には間に合わず、私たちはしばらくの間、フェリーターミナルで立ち往生することとなりました。この様な体験を通じて、2点の疑問を感じました。フェリーターミナルから2.2km離れた場所に、島内唯一のコンビニであるセイコーマートがあります。そのわずはんらんか2.2km間でも、川の氾濫により、車道は寸断され、通行止めになりました。08:15着のフェリーで到着するはずのコンビニ配送車が、コンビニまで到着できなかったのです。わっかないれぶんとう稚内と礼文島を往復するフェリーは、朝一便の08:15に到着します。そのフェリーの出発時間が08:40です。25分間の時間差を使って、商品をコンビニに届け、来た船にわっかない乗って稚内まで帰っていくはずの配送車は、その日だけわっかないはコンビニに商品を届けることなく、稚内に帰ってしまいました。わっかない当時、稚内に行く客と一緒にフェリーターミナルで待機していた私ですが、その後臨時の二便が出るアナウンスを聞いて、安心して宿への帰路を急ぎました。その途中、先ほどのコンビニに立ち寄ったのが11時頃でした。そこではじめて、当日の商品がコンビニに届いていないことを知りました。11時時点では、おにぎりやお弁当など、昨日の売れ残り分がありました。あとでわかったことですが、その日は17時頃に商品がなくなり、その時点でシャッターを降ろし閉店したとのことでした。来た船で帰ることが日常化していた配送車にしてみれば、コンビニに商品を届ける使命が不調に終われば、何が何でも商品を届けることよりも、時間通りに帰ることを優先しての行動かもしれません。しかし、それは人道的見地から見て、被災地にとって最良の判断だったとは言えません。この様な場合、どのように配送車が行動すべきだったのか、そこに行政は関われなかったのか、島民が考えるべき課題になったと思います。またフェリー乗り場には、災害支援型の自動販売機が設置されていました。しかし、その自販機は飲料水を無2れぶんとう償で配給することのない、ただの自販機でした。礼文島では50年に一度と言われる大災害です。それにも関わらず、飲料水が無料配布されない災害支援型の自動販売機に、何の存在意義があるのでしょうか。これら2点の疑問を、諸条件の違いはありますが、江戸川区に当てはめて考えてみましょう。コンビニの配送車など、日常的に物資を供給する車が、激しい渋滞などの理由により、目的地まで到着できず立はんち往生せざるを得ない状況になった場合、社会全体の利益を考えて、どのように行動するのが正しいことなのでしょうか。とりわけ私の興味関心は、賞味期限が短い食料品についてであります。民間の行う日常的な物資の搬送ではありますが、それらも含めて、緊急時の物資の配送体制について、現状ではどうなっているのでしょうか。今後の対応に課題は無いのか、お答えください。江戸川区にも災害支援型の自動販売機が設置されています。これからもその増設が望まれますが、はたしてその自動販売機が、実際に災害時において正常に機能するのでしょうか。誰が決定権を行使できるのでしょうか。江戸川区にも業者と結んだ協定書があると思います。その内容を明らかにしていただき答弁してください。れぶんとうだいたいあん多田区長礼文島におけるご体験によっていろいろ感じられたことをお話くださいましたが、災害時に荷物の配送車、あるいは自販機だけの問題だけでなく、どういう状況になっていくかということは、なかなか想定しにくい場面が多々あるとは思います。協定によって、このようなときにこういうふうにしてほしいということを約束を取りつけて、そのようにしていただくということが、まずは何より重要なことだとは思いますが、それがその状況の中でできるかどうかということは、また別問題になってくるということが多々あると思われます。経験したことで申し上げますと、3.11の震災のときに庁舎の煙突が倒れそうになりました。クレーン車を手配をするということで、自衛隊その他にいろいろとかけ合いましたが、あるところでクレーン車はある、しかし、ドライバーが来ることができないというような状況があって、そのようにいろいろな状況が起きてくるので、一概にこうしておけばということはなかなか難しいんでありますが、先ほどの事例からすれば、そういうことがなかなかそれを解決しておくための手立てを講じておくということが難しいかなという場面もありますが、そういうことはできるだけ少なくしたほうがいいと。予測できることはとにかくそれを潰していくような手立てを講じておいて、できなければできないことかもしれませんが、もしできれば、こういう場面ではこういう代替策があるとか、ないとか、いろいろあると思うんです。だから、それはもっと丁寧に協定のあるなしにかかわらず、いろいろ考えておくべきことかと思っております。