ブックタイトル月刊田中けん

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概要

月刊田中けん

田中けんは、3つの市民運動について興味を持ち、集会に参加をしては見識を深め、日常的な政治活動にその知識を生かしています。1.タバコ問題2.台湾・外交・防衛問題3.警察・検察・司法改革私の政治信条は「民主主義とは、国民が権力をコントロールできる政治システム」を実現することです。この場合の権力とは、ずばり暴力装置すなわち軍隊と警察です。私の独断では、政治家が軍隊と警察について何も語らないということは、国民によるコントロールができないに等しく、政治家が軍隊と警察について、語り続けることこそ、暴力装置に対する国民のコントロールを可能にすることだと、私は信じています。袴田事件における袴田巌さんが、2014年3月27日に釈放されました。冤罪を訴えていた元死刑囚が48年ぶりしゃばに娑婆に出てこられたのです。これは明らかに、警察・検察による強引な捜査によるでっち上げ事件です。このような人権無視が、警察検察によって、未だに行われているのが、我が日本の実態なのだと理解してください。日本の警察・検察の何が問題なのか、それを探るため出席した市民集会のまとめを公開します。私は読者と一緒に、日本の暴力装置の闇の部分について考えていきたいと思っています。取り調べの可視化を求める市民集会「取調室にシナリオは要らない」に参加して2014年3月25日現在、法制審議会特別会委員である周防正行氏(「それでもボクはやってない」の映画監督)の発言を中心に列挙し、現代日本の司法における問題点について、指摘します。すおはかまだ※法制審議会とは、法務省に設置された審議会の一つ。まさゆきはかまだいわおこれから新しい刑事司法について話し合う場所。周防正行氏映画を撮影するに当たって、様々な取材をしたわけですが、これまで私が考えていた裁判と実際の裁判が大きく違う。これは多くの人たちも、この様な誤解をしているのではないだろうかということです。たとえば、取り調べにおいて警察が創作した作文である調書ですが、作文であるにも関わらず一言一句にこだわっています。作り物に過ぎない調書を、裁判では証拠のように扱っている。すおまさゆきちょうしょさいばんこのような裁判を「調書裁判」というのですが、この様な実態を知ってもらいたいと思って映画を作りました。映画を作るに際しては、傍聴回数としては200回以上ちょうしょさいばんの裁判を見てきました。「調書裁判」の問題点は、自分の言葉が人の作った文章によって作り替えられることにあります。おおむね調書が正しければ問題無いとする考え方もあります。それでもなぜ被疑者が言ったことをそのまま調書にしないのか、法務省の役人に問うたところ、「そのまま書いていたら、とても読みにくくなるので警察官が読みやすいように書き直している」と言われました。「あれは親切で作っている。裁判官にわかりやすい文章にしている。一言一句書いていたら、訳がわからない調書になってしまう」そうおっしゃるのです。映画で脚本=シナリオを作る場合は、先にあらすじを作るわけですが、取調室では警察官が作ったあらすじに従って、被疑者の話を引き出していくのです。またはそのあらすじに沿った発言だけを記録していくのです。法制審議会の様子をお伝えします。各会を代表する有識者が参加しています。裁判官の委員については、取り調べの可視化についてどう考えているのかということですが、裁判官の皆さんの考え方は「市場原理主義」なんだなと思います。裁判という市場の原理という意味です。裁判所としては、これからは裏付けのない調書をそのまま信じることはできないという立場です。ですから録音・録画されない調書が証拠として採用されなければ、警察・検察は自然と取り調べにおける録音・録画をするようになるだろうというのです。だからこそ、録音・録画を全ての事件に義務づける必要はない。もちろん、全ての事件、全過程を録音・録画されても構わないわけですが。このような発言を聞いて、僕は「裁判市場原理主義」と勝手に名づけたわけです。現状でも随分変わってきているのだから、このままにしておけば自然と良い方向に変わっていきますとおっしゃるのです。もう後戻りはできないのですから、取り調べの録音・録画についても試行という形で行われていて、調書が怪しいものだということも裁判所は既にわかっています。ですから、裁判官だって調書を丸ごと信じるなんて事はないですよ。重大事件で、調書が録音・録画がない場合、本当にその調書を証拠採用しないなんてことができるのだろうか。できないのではなかろうか。だからこそ法律できちっと決めて、録音・録画を義務づけることが必要。それがないときは罰則規定がないとダメだ。現場判断では決して良くならない。検察側としては、このような審議会を作るきっかけとなった村木事件(=障害者郵便制度悪用事件)における被告人的立場にありましたから、警察ほど強く抵(右上に続く)抗はしてこなかった。(3ページへ)2