ブックタイトル月刊田中けん

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概要

月刊田中けん

酒もタバコもコーヒーも、飲まず吸わずに活動中まずは被災地支援です。これまで江戸川区が行ってきた被災地支援について詳しくご紹介ください。その後、私なりに考えた新しひゃくがたりい被災地支援策について再度質問します。次に観光行政です。これまで何度となく、観光行政をもっと行うようにとの質問が区議会から出てきました。しかし、今現在はこのような考え方に対して私は非常に懐疑的です。これまで私は全国各地の観光地に行きました。委員会視察でも、その土地の観光行政について説明を受けてきました。それら既存の観光地に匹敵する施設や自然が、現在の江戸川区にあるのでしょうか。「ない」と私は答えます。観光地を持たない自治体が、次に考えることは後天的かつ人為的に観光施設を作ることです。これは至難の業です。今一度、夕張市の財政破たんについて確認してみます。かつて炭鉱の町として賑わった夕張市は、1990年に炭鉱が閉山するのをきっかけに「炭鉱から観光へ」と大きく行政の舵を切りました。テーマパーク、スキー場、映画イベントなどを作って、積極的な自治体運営を続けました。その結果どうなったかと言えば、積極政策が裏目に出て、観光施設はどれも赤字となり、市の財政を圧迫し、2007年には夕張市自体が財政再建団体に指定されました。ここまでの流れは多くの国民が知る通りです。夕張市が特殊事例ではない証拠に、以下、廃止された有名施設を列挙します。鎌倉シネマワールド、倉敷チボリ公園、宮崎県シーガイヤ、長崎オランダ村、富士ガリバー王国、ワイルドブルーヨコハマなど、廃止に至った施設は全国各地に存在します。この教訓から素直に学べば、観光行政に力をいれない行政判断こそが、無難な選択だとも言えます。もちろん北九州市のスペースワールドのように、一時は315億円の累積赤字を出しながらも、現在では黒字経営に至ったテーマパークもあります。ただし、これこそ例外視すべき成功例であって、全国には失敗例がほとんどなのです。仮にスペースワールドのような毎年黒字となる施設が江戸川区にあったとしましょう。それがどれだけの経済効果を本区に与えるのでしょうか。平成18年に観光地として有名な倉敷市へ私は建設委員会の視察で行きました。当時の倉敷市における関心ごとは、いかに観光客が倉敷市に宿泊してくれるかということでした。「通過型」ではない「宿泊型」の観光地への転換が、倉敷市の大きなテーマとなっていました。つまり同じ観光地であっても、通過型と宿泊型では、経済効果が大いに違います。通過型では発生しない宿泊費が、宿泊型の観光地では現地にもたらされます。